story of L-Gaim

重戦機エルガイム(Heavy metal L-Gaim)

・概要

『重戦機エルガイム』は、1984年から1985年に放送されていたサンライズのロボットアニメである。

メインのメカニック及びキャラクターデザインを当時新人だった永野護が担当。永野の斬新なメカニックデザインとアイデア(特にムーバブルフレーム、全天周モニター、リニアシートなど)は、後のロボットアニメに多大な影響を与えている。

ストーリー、キャラ及びメカデザインは、後に永野の漫画「ファイブスター物語」に多く流用されている。

・ストーリー

舞台は二重太陽サンズを中心とした5つの惑星を擁するペンタゴナ太陽系。

この世界は、「オルドナ・ポセイダル」の絶対的な支配下に置かれていた。そんな中、物語はコアムという辺鄙な惑星の辺鄙な田舎町に住む2人の青年の旅立ちから始まった。

青年の名は「ダバ・マイロード」。この物語の主人公である。彼は義妹で婚約者の「クワサン・オリビー」を探すため、ポセイダル軍への入隊志望を持つ親友の「ミラウー・キャオ」、そして、父の遺したHM「エルガイム」と共に都会へ旅立ったのだが、その途中で彼らは撃退した盗賊の男から百万ギーン(この世界での通貨。1ギーンが約100円なので、100×100万=1億円に相当する)もの手形を渡され、それを死の商人「アマンダラ・カマンダラ」に届けるよう頼まれ、物語は大きな展開を迎えた。

手形をアマンダラへ届ける旅の最中、盗賊を抜け出した少女「ファンネリア・アム」や、見世物小屋から助け出した妖精の「リリス・ファウ」、元ポセイダル軍の精鋭部隊「13人衆」の若き女エース「ガウ・ハ・レッシィ」を仲間に加えて旅は続いたが、その中でダバは、この世界がポセイダル等による圧政が敷かれた世界だという事に気づき、ポセイダルの圧政から世界を開放するために戦うようになるーーー。

・主な登場人物

ダバ・マイロード:この物語の主人公。その正体は、今は亡きヤーマン族カモン王朝の血を引く人間「カモン・マイロード」である。だが、当人はそれを否定している。

つい最近まで父(養父)の「ダバ・ハッサー」に育てられていたが、彼が死ぬ間際に自分がカモン・マイロードであるという事を知った。父の死後、行方不明の義妹(で婚約者)の「クワサン・オリビー」を探すため、キャオと共に旅に出る。搭乗機はエルガイム及びエルガイムMk-Ⅱ

ミラウー・キャオ:ダバの親友。立派なリーゼントを持つお調子者。ポセイダル軍に入って立身出世を望んだが、うやむやに巻き込まれて反乱軍に協力するようになる(ただし、未練はあったようだ)優秀なメカニックでもあり、エルガイムなどの整備を引き受けている。前半はHMに乗ることはなかったが、中盤からディザードなどに乗るようになる。

ファンネリア・アム:本作のヒロイン(?)。元盗賊団の一味で、偶然襲ったワークス(エルガイムの運搬に使っていたマシンナリィ)に乗っていたダバに一目ぼれし、以降彼らと行動を共にする。幼いころはどこかのサーカス小屋にいたらしい。ダバを巡って、レッシィと対立することもしばしば。搭乗機はB級HMのアローンなど。後半からはエルガイムなどに乗る。

ガウ・ハ・レッシィ:元ポセイダル軍精鋭部隊「13人衆」の一人で、若きエースパイロットである。名家の出身で将来有望な女性だったが、彼女もまたダバに惹かれて軍を脱退し、反乱軍に寝返る。アム以上にダバを想っているようで、その一途さからメインヒロインであるアム以上(というよりも作品で一番)の人気を誇る。搭乗機は前半はランドブースター(HM用の飛行用ブースター)「スピリッツ」、ディザード、後にヌーベルディザード。

リリス・ファウ:いわゆる「妖精」である。この世界ではすでに絶滅寸前の種族でありその為、見世物になることが多い。彼女もまたその例外に洩れず、見世物小屋で奴隷同然の生活を送っていたが、偶然ダバに救われ、以降ダバたちに着いてゆく。その小柄さから、先行して敵基地のゲートの警備員室にこっそり侵入して催眠ガスを振りまくなど、潜入任務をこなすことが多い。前番組「聖戦士ダンバイン」にも、「チャム・ファウ」という彼女によく似たキャラが登場する。

ギャブレット・ギャブレー:田舎の没落貴族出身の美丈夫。お家再興と立身出世のためにポセイダル軍に入隊する。初登場時は所持金がスッカラカンで、その日の食事にも困っていたという状態であったが、その時偶然目に留まったアムの料理を一瞬で平らげ、その上彼らの100万ギーンの手形を盗むまでに及んだ。それ以降ダバたちとは因縁の関係にある。

正規軍に入隊してからは徐々にその頭角を現し、遂には13人衆にまで登りつめる。搭乗機はB級はアローン、グライア、バルブド、A級はバッシュ、アシュラテンプル、グルーン、アトールなど、多数の機体に乗っている。

オルドナ・ポセイダル:ペンタゴナワールドの支配者。女性と見まごうばかりの美貌を持つが、性別は男である。およそかなりの高齢者であるはずだが、バイオリレーションシステムなる機械の影響によって、無限の寿命を持つ。搭乗機はオージことオリジナル・オージェ。

ギワザ・ロワウ:13人衆の実質的リーダー。相当の野心家で、正規軍から半旗を翻して独自に軍備を構え、正規軍と反乱軍が同士討ちになった後の星団の実権を握ろうとしていた。軍人としては一流で、戦闘においても政治力においても長けていた。最後はシャトルで戦域から脱出しようとしたところを、ダバの駆るエルガイムのバスターランチャーによってあっけなく撃墜される。

アマンダラ・カマンダラ:星団屈指の兵器商「アマン商会」の主。正規軍、反乱軍双方の支援を行っている。なにかと謎の多い人物だが、その正体は・・・

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